木曽漆器の歴史と文化に触れる美しい町並み

木曽平沢は、江戸時代から続く木曽漆器の産地として栄えてきました。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されたその町並みは、時が止まったかのような静けさをたたえ、訪れる人々を魅了します。

木曽平沢の歴史は、16世紀末頃に集落が形成されたことに始まります。慶長7年(1602年)に中山道のルートとして整備されたことで、宿場町である奈良井宿の枝郷として、木曽漆の工人町として発展しました。江戸時代を通して中山道随一の木曽漆器の生産地として栄え、現在も多くの漆器店や工房が軒を連ねています。

木曽平沢の最大の特徴は、漆器業とともに発展してきた独特の町並みです。漆器店やその蔵が立ち並び、伝統的な家屋が軒を連ねる風景は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されるほど貴重なものです。ゆっくりと散策すれば、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような感覚を味わえるでしょう。

木曽漆器は、その堅牢さと優美な光沢が特徴です。「木曽堆朱」、「塗り分け呂色塗」、「木曽春慶」など、様々な技法が生み出され、長年にわたり多くの名品が作られてきました。木曽平沢では、漆器店で実際に手に取ってその美しさを確かめたり、工房を見学して職人の技を間近で見たりすることができます。

電線が地中化された美しい町並みには多くの漆器店が点在しており、お椀やお箸などの日常使いの品から芸術品とも言える高価な品まで、様々な漆器を見ることができます。
木曽漆器の歴史や技法を学ぶことができる「木曽くらしの工芸館・木曽漆器館」では、展示品の鑑賞はもちろん漆器作り体験なども楽しめます。