成田山書道美術館の脇には、「水琴窟」と呼ばれる不思議な音が聞こえる場所があります。
水琴窟とは、地中に設置した大瓶の中に水滴を落下させ、その際に発せられる音を反響させる仕掛けで、江戸時代より伝わる日本庭園文化の最高技法のひとつとされてきました。
戦前戦後の雑踏の中、この繊細な感覚は次第に廃れていき、いつしか忘れられた存在となってしまいましたが、1980年代に新聞やテレビ番組で取り上げられたことをきっかけに再び脚光を浴びるようになり、その存在が広く知られるようになりました。

成田山公園を散策の際には、美しい自然に彩られた日本庭園と共に、水琴窟からが発せられる名琴のような澄んだ音色にぜひ一度耳を傾けてみてください。