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美しい自然と歴史に彩られる葛城市で
じっくり、ゆっくり、心を解放する旅へ

ふと彼方を見渡せば壮大な山の稜線が、その麓には古刹や歴史遺産が息づく葛城市。 この地は古くから交通の要所として栄え、そして現代はハイカーや登山者にも愛されています。 自然の中に古都の趣を秘める葛城市で、じっくり、ゆっくり、心を解き放つ旅を。

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KATSURAGI CITY EPISODE
01

力士気分で楽しみたい、
全国でも希少な体験型の
相撲ミュージアム

「相撲館けはや座」の前に建つのは、日本初の力士にして、
熱戦で命を落とした當麻蹶速を称える供養塔。

神話が残り多くの歴史遺産を擁する葛城市は、実は相撲発祥の地でもあります。さかのぼること、今から2000年あまり前。日本最古の歴史書「日本書紀」には、地元力士・當麻蹶速(たいまのけはや)と出雲国の豪族・野見宿禰(のみのすくね)が、垂仁天皇(すいにんてんのう)の前で対戦をしたことが記されています。

4世紀初頭に記録されたこの対戦こそ、最古の天覧相撲(天皇陛下が観戦する大相撲)であり、後に日本の国技となる相撲のはじまり。そんな葛城市ならではのユニークな施設が「相撲館けはや座」です。

堂々たる存在感を放つのは、忠実に再現したリアルな土俵。

館内に入ると、大迫力の土俵が。本来、土俵は神聖なものとされ、力士や行司しか上がることが許されませんが、ここは資料館のため、靴を履いたまま、誰でも自由に上がることができるのです。枡席(土俵を取り囲む観覧席)から土俵を眺め本場所の雰囲気を想像したり、まわしの着ぐるみを着て土俵で四股を踏んだり。展示物といっても、サイズは大相撲本場所と同じで臨場感は本物さながら。雨の日も楽しむことができる、ユニークな体験型施設です。

相撲甚句や寄せ太鼓を BGM に食べるちゃんこ鍋に気分が盛り上がる!

力士気分を堪能した後は、「ダイニング HAKUHO」へ。その名のとおり、葛城市観光大使 を務める元横綱・白鵬関こと宮城野親方がプロデュースするちゃんこ鍋店です。料理の腕を振るうのは、宮城野親方の愛弟子たち。まろやかな出汁と秘伝レシピの鶏つみれは、食べるほどに、滋味深さが体に染みわたります。古民家を改装した店内で、ゆったりと部屋直伝の味を楽しんで。

KATSURAGI CITY EPISODE
02

いにしえの時間を
慈しみながら散策する

板葺きの壁の家が並ぶ小路に迷い込めば、さらに風情が。

歴史が薫る葛城市のなかでも、その風情を色濃くするのが、「竹内街道」。大阪府堺市から葛城市の長尾神社付近に至る約26kmの道は、敷設を1400 年前にさかのぼり、「日本最古の官道(国道)」とも言われています。

民家を改装した休憩所「綿弓塚(わたゆみづか)」。
庭には、松尾芭蕉の句碑も残る。

ゆるやかな上り坂の道中にあるのは、瓦屋根が古き良き日本情緒を醸し出す住宅や、築300年の旅籠(はたご:江戸時代の宿泊施設)跡。かつてここが賑やかな宿場町だった江戸時代を想像しながら歩けば、いにしえの風情に浸ることができそうです。

當麻寺の塔のひとつ、「⻄南院(さいなんいん)」。水琴窟の音が響く池泉廻遊式庭園は必見。

竹内街道の北に位置するのは、「當麻寺(たいまでら)」。聖徳太子の異母弟・麻呂古王が7世紀に創建したとされ、敷地内に真言宗と浄土宗あわせて13もの塔頭が集まる、全国的に珍しい寺院でもあります。

小高い丘陵に対称的に建てられた東⻄二塔は、當麻寺のシンボル。

境内に入ると、なんともいえない神々しい空気。古刹というだけでなく、自然が身近に迫る環境そのものが、気持ちを引き締めてくれるのかもしれません。奈良時代に中将姫が織りあげたとされる「當麻曼荼羅」をはじめ国宝級の寺宝も多くあり、じっくりと時間をかけて歩くのがおすすめです。

1400年にもわたる悠久の歴史に身をゆだねて、ゆったりと散策を。

曼荼羅が生まれた奈良時代、密教文化が栄えた平安時代、焼き討ちによる危機を経た中世以降......それぞれの時代に生まれた寺宝や逸話に触れていると、1400年にわたり築かれたドラマチックな歴史の中に迷い込んでしまいます。

旅籠を改築した店内で味わう、名物の釜めし。

門前でおいしそうな香りを漂わせているのは、「釜めし 玉や」。時間をかけて煮込んだヤマトポークの角煮を入れた「角煮釜めし」は、参道の名物として知られています。江戸時代の旅籠を改装した店内では、日本風情を味わいながら食事を楽しめます。

KATSURAGI CITY EPISODE
03

楽しくておいしい、
土地の恵みを味わう

コンセプトは「新しい酒文化を創造する蔵」。杜氏制度を廃止し、社員が一丸となって蔵人をつとめる。

自然豊かな葛城市は、自然の恵みも豊富です。
「梅の宿酒造」は、葛城山の麓で5代にわたり日本酒を作り続けている酒蔵。130年の歴史を誇りますが、勘だけに頼らずデータ管理を採用したり、全国にさきがけて杜氏制度を撤廃し若い蔵人や女性蔵人を起用するなど、新しい試みにチャレンジしています。

ベースとなるお酒や砂糖の種類を好みのなかから選んで作る梅酒作り体験。1か月後の完成は、旅の後の楽しみとなる。

そんな、伝統と革新を併せ持つ酒蔵は、見学も可能(要予約・1名1000円・試飲とお土産つき)。2022年夏にオープンした最新鋭設備の酒蔵を見学した後は、併設する直営店でワークショップ(梅酒シロップ・梅酒造り体験)を。

伝統を受け継ぐ地酒に加え、日本酒をベースにしたリキュールも揃う。

日本酒がちょっと苦手......という人はぜひ、日本酒をベースにしたリキュールを試してみては。果肉を存分に感じる味わいは、贅沢な大人のデザート。直営店には、香り高い酒粕を使ったジェラートやオリジナルのお菓子など、お土産にしたくなるものも揃っています。

酪農家直営店だから、素材は新鮮!チーズ好きにもおすすめ。

ここから車で5分ほどの「葛城高原ラッテたかまつ」は、酪農家が営む牧場。施設内のカフェでは、アイスクリームやヨーグルト、自家製モッツァレラチーズと生乳を生地に練りこんだピザなど、ファミリーで楽しめるメニューが揃っています。

KATSURAGI CITY EPISODE
04

甘〜いお菓子を
旅のお土産に

よもぎは、自社畑で栽培。甘すぎないのにコクがある餡が絶妙。

當麻寺の参拝土産として不動の人気を集めているのは、「中将堂(ちゅうじょうどう)本舗」のよもぎ餅。この地に伝わる古くから伝わる“あんつけ餅”を一口サイズにし、ぼたんの花びらを型どった和菓子です。

一口食べると、爽やかなよもぎの香りがふわ〜っと口に広がり、幸せな気分に。とろけるようなお餅の食感と甘さ控えめの餡が、上品でしっとりとした余韻を楽しませてくれます。イートイン、持ち帰りともに可能。歩き疲れたら、日本情緒ある店内で一息つくのもおすすめです。

「優しい素材で栄養満点」。そんな作り手の優さがこもった駅前のお饅頭は、地元で愛される隠れた逸品。

「中将堂本舗」の近くで地元民に愛されているのが、近鉄南大阪線当麻寺駅前にある「朗紀 本舗(あきほんぽ)」。一見すると素朴な店構えですが、名物の「どっこいまんじゅう」は、作り手の優しさがぎゅっと詰まった一品。卵や小麦粉を使わず、砂糖と米粉とサツマイモだ けでていねいに手作りしたスイーツは、旅の途中で眺めた美しい景色のように、ほっこりと心を包んでくれます。