歴史の息吹を感じる自然豊かな峠

束松峠は、かつて会津若松と新潟県新発田を結ぶ越後街道の一部として多くの旅人が行き交った場所であり、現在でも歴史好きのハイカーや自然愛好家に人気があります。

束松峠の名前の由来は、アカマツの地域変異種である「束松」にあります。この松は、箒を逆さにしたような独特の樹形を持ち、県の天然記念物にも指定されています。峠の中腹には、三本の束松が立ち並び、その風景は訪れる人々を魅了します。

峠の頂上には、戊辰戦争当時の会津藩士、秋月悌次郎が詠んだ詩碑が立っています。この詩碑は、会津の行く末を憂いた彼の心情を伝えるものであり、歴史の重みを感じさせます。また、束松峠は文化庁選定の「歴史の道100選」にも選ばれており、その歴史的価値は高く評価されています。

束松峠の周辺には、一里塚や茶屋の跡も残っており、かつての旅人たちの足跡を感じることができます。一里塚は、旅行者の目印として一里(約4キロメートル)ごとに土を盛って作られたもので、束松峠の一里塚は越後街道の会津側に完全に残っている唯一のものです。