「落ちない城」として名高い山城跡

白旗城跡は、標高440メートルの白旗山の山頂に築かれた山城の遺跡です。この城は南北朝時代の武将、赤松円心によって建武3年(1336年)に築城されました。白旗城は、その難攻不落の構造と戦略的な位置から「落ちない城」として知られています。

白旗城は、全長470メートルに及ぶ大規模な梯郭式山城で、東西約560メートル、南北約400メートルの範囲に広がっています。城内には、本丸、二ノ丸、三ノ丸、櫛橋丸、馬場丸などの主要な遺構が残っており、土塁や堀切などの防御施設も多く見られます。これらの遺構は、戦乱の中で城がいかに強固であったかを物語っています。

白旗城の歴史は南北朝時代の激しい戦いと深く結びついています。新田義貞率いる南朝軍の6万の軍勢が攻め寄せた際、赤松円心はわずか2,000の兵で50日以上も防ぎ続けました。この戦いにより足利尊氏は勢力を盛り返し、後に室町幕府を開くことができました。この功績が評価され赤松円心は播磨国の守護として室町幕府の重鎮となりました。

現在、白旗城跡は国指定史跡として保存されており、ハイキングや登山の人気スポットとなっています。近畿自然歩道が整備されており、山頂からは赤松の集落や千種川の美しい景色を一望することができます。

毎年11月23日には、白旗城まつりが開催され、地元の人々や観光客で賑わいます。この祭りでは、歴史的な再現イベントや地元の特産品の販売などが行われ、白旗城の歴史と文化を楽しむことができます。