時の流れを感じられる山岳民家の魅力
檜原村の標高約750メートルの尾根上に佇む小林家住宅は、江戸時代中期に建てられたと推測される貴重な山岳民家です。昭和53年に国の重要文化財に指定され、その歴史的価値から多くの観光客が訪れる人気のスポットです。周囲の豊かな自然と一体となっており、四季折々の美しい風景を楽しむことができます。春には桜が咲き、夏には緑が深まり、秋には紅葉が山々を染め上げます。冬には、雪化粧された茅葺屋根が美しいコントラストを生み出します。
小林家住宅は、入母屋造りで桁行7間半、梁間4間、三間取りの隅丸型広間という、江戸時代中期の特徴的な建築様式を今もなお残しています。茅葺屋根や太い梁、格子の窓など、当時の暮らしが偲ばれる造りが特徴です。特に、構造形式や部材の調査結果から、東京都から山梨県にかけての民家の関連を知る上で非常に貴重な遺例とされています。
住宅内は当時の暮らしが再現されており、来訪者はまるでタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。囲炉裏を囲んでの団らん、土間での作業など、昔ながらの生活様式を垣間見ることができます。また、天井裏や小屋裏など、普段は入ることのできない場所も公開されており、建築構造の細部まで観察することができます。
※ 小林家住宅は山深い場所に位置しているため、一般車両でのアクセスは制限されており、徒歩、もしくはモノレールが主要なアクセス手段となっています。