大本堂左手の広場に建つ釈迦堂は、1858年に三代目の本堂として建立されました。
元々は今の大本堂のやや前方の位置にありましたが、現在の大本堂の建設に伴い移築されました。
総欅作りのお堂の周囲には、二十四孝と五百羅漢の彫刻が施されており、江戸時代後期の建築の特色をよく残しています。

 ※二十四孝とは、中国において後世の範として、孝行が特に優れた人物24人の親孝行物語を記した書物のこと。

 ※五百羅漢とは、釈迦の死後その教えを取りまとめた聖典の編纂会議に集まった聖者のこと。

江戸時代後期の仏師である松本良山が10年の歳月をかけて完成させた五百羅漢像は、一枚板に500人もの阿羅漢を誰一人似ることなく彫られており、この中から必ず自分や知人に似た顔を見つけることが出来ると言われています。
そのことから「五百羅漢をお参りすると故人に会える」「供養につながる」という信仰が生まれ、人びとの間に広がっていきました。

 ※阿羅漢とは、仏教において、尊敬や施しを受けるに相応しい聖者のことで、釈迦の弟子の中で特に優れた弟子や、最高位に達した修行者のことを指します。

堂内にはご本尊である釈迦如来の他、文殊菩薩、普賢菩薩、千手観世音菩薩、弥勒菩薩が安置されています。
なお、現在は厄除け祈願所として使用されています。