にしん漁の栄華を今に伝える歴史的建造物

小樽市鰊御殿は、かつてのにしん漁の繁栄を今に伝える貴重な文化財です。1897年(明治30年)に積丹の網元・田中福松によって建てられたこの建物は、1958年(昭和33年)に現在の場所に移築されました。総面積611.9平方メートル(185.1坪)を誇るこの建物は、現存する鰊御殿の中でも最大級の規模を持ち、当時のにしん漁の盛況ぶりを物語っています。
鰊御殿は北海道の民家として初めて「北海道有形文化財鰊漁場建築」に指定されました。館内には、にしん漁やにしん加工に使われた道具、番屋で暮らした人々の生活用具や写真などが展示されています。これらの展示物を通じて、訪れる人々は当時の漁師たちの生活や労働の様子を垣間見ることができます。
また、鰊御殿では、当時のにしん漁の作業スタイルを体験することもできます。衣装を身にまとえば、賑やかだった時代にタイムスリップした気分を味わうことができるでしょう。
小樽市鰊御殿は、日本海を望む岬の先端に位置しており、高台から望む日本海の絶景は圧巻です。特に夕暮れ時には、美しい夕日が海に沈む様子を楽しむことができます。