【横浜・GREEN×EXPO 2027】また「null²」に会える!落合陽一の万博パビリオンが横浜へ“転生”——常設シアターと園芸博の2拠点展開へ

大阪・関西万博で約60万人が体験し、閉幕後の「移設クラウドファンディング」で2.8億円以上を集めた伝説のシグネチャーパビリオン「null²(ヌルヌル)」。

「またnull²会いたい」という多くの願いかついに叶います。

プロデューサーの落合陽一氏(一般社団法人計算機と自然 代表理事)は2026年4月7日、建物をそのまま移設するのではなく、横浜の地で2つの新たな姿へと“転生”させるプロジェクトを発表しました。横浜みなとみらいへの常設シアター展開と、2027年国際園芸博覧会「GREEN×EXPO 2027」への新作出展です。万博で生まれた体験が、どのように進化を遂げるのか。その全容をご紹介します。

null²(ヌルヌル)とは——「空」と「null」が交わる体験型インスタレーション

大阪・関西万博の落合陽一プロデュース「null²(ヌルヌル)」パビリオンの夜の外観。
大阪・関西万博の「null²」 / Photo by TARO OKAZAKI

「null²」は、落合陽一氏がプロデュースした大阪・関西万博におけるシグネチャーパビリオンで、テーマは「いのちを磨く」でした。仏教哲学の「空(くう)」と計算機科学の「null(ヌル)」を融合した概念を根底に、特殊ミラー膜・LED・ロボティクスを組み合わせた体験型インスタレーションとして構成されました。

大阪・関西万博の「null²」の内部

変形する鏡面を通じて来場者自身の姿がデジタルと溶け合い、自然とテクノロジーが境界を失う「計算機自然(デジタルネイチャー)」の世界観を体現。内部では3Dスキャンで取得したデジタル分身が空間演出と連動し、「擬似的な臨死体験と輪廻体験」を標榜する没入型の作品となっています。

万博期間中にのべ約60万人が来場し、Casa BRUTUS「建築&デザインのBESTパビリオン」第1位、みんなの建築大賞2026大賞など数々の賞を受賞。さらに、閉幕後のクラウドファンディング「ぬるぬるのお引越」では開始23時間で1億円を突破し、最終的に1万5821人から約2.8億円の支援を集めるなど、社会的な熱狂を生み出しました。

大阪・関西万博「null²」内部の全景。床から天井まで続く巨大な湾曲ミラー膜が空間を包み込み、光の渦のような無限反射を生み出す。落合陽一氏が提唱する「計算機自然」の世界観を体現した瞬間。

「オールナイト万博」想定外の夜が生んだ伝説的エピソード

万博開催期間中の2025年8月13日の夜。大阪メトロ中央線が運行を停止し、数万人規模の帰宅困難者が会場に取り残される事態が発生しました。

この状況を受け、落合氏は遠隔操作でnull²を再起動。「クラブモード」と呼ばれる隠し機能を起動して自らDJをつとめ、夜通し光と音楽を会場に流しました。万博のライブカメラには踊る来場者の姿が映し出され、「オールナイト万博」として広く記憶されることになりました。

第1弾:横浜ランドマークタワーに常設シアター「null²ⁿ(ヌルヌルネクサス)」

横浜ランドマークタワー内に2026年オープン予定の常設イマーシブシアター「null²ⁿ(ヌルヌルネクサス)」のコンセプトイメージ。鏡面とデジタル映像が融合した空間を、来場者が回遊する様子。
null²ⁿのイメージ ©Sustainable Pavilion
null²ⁿのイメージ ©Sustainable Pavilion
常設イマーシブシアター「null²ⁿ(ヌルヌルネクサス)」の内部イメージ。空間全体を覆う色彩豊かなデジタル映像が鏡面に反射し、来場者が光の渦の中に佇む没入体験の様子。
null²ⁿのイメージ ©Sustainable Pavilion

この熱狂のレガシーが、横浜の地で次なる物語を紡ぎ出します。2026年、横浜みなとみらいの横浜ランドマークタワー内に常設イマーシブシアター「null²ⁿ」がオープンします。

万博のシアター要素を核に新たなゾーンを加えて再構成され、名称の「ⁿ(ネクサス)」が示す通り、null²と人々をつなぐ継続的なコミュニティのハブとして機能する予定です。さらに、万博で17万人が体験した連携アプリ「Mirrored Body®」を通じ、デジタルアバターを取得した人は横浜で「自身の分身と再会できる」仕掛けも用意されています。

【事前準備】連携アプリ「Mirrored Body®」

連携アプリ「Mirrored Body®」 のQRコード

大阪・関西万博で17万人が利用したアプリを事前にダウンロードして、新たな体験に備えましょう。アプリで生成したあなたのデジタル分身(AIアバター)が、横浜「null²ⁿ」や「null⁴」の空間演出とダイレクトに連動します。デジタルと物理空間がシームレスに溶け合う「計算機自然」の世界へ、ぜひあなた自身のアバターと共に入り込んでみてください。

ウェイティングリスト

「null²ⁿ(ヌルヌルネクサス)」のウェイティングリストへ早期アクセスのQRコード

先行予約へのウェイティングリスト登録が公式サイト(https://null2.nexus)で受け付けられています。

プロジェクト基本情報

【第1弾】常設イマーシブシアター「null²ⁿ(ヌルヌルネクサス)」

公式サイト: https://null2.nexus

オープン時期: 2026年予定(※常設)

会場: 横浜ランドマークタワー(神奈川県横浜市西区)

主催: 株式会社サステナブルパビリオン2025

第2弾:GREEN×EXPO 2027に「null⁴(テトラヌル)」

GREEN×EXPO 2027(横浜・上瀬谷)に出展予定の風景変換彫刻「null⁴(テトラヌル)」。4棟の鏡面構造体が花々や空の風景をインタラクティブに変容させるコンセプトイメージ。
null⁴のイメージ ©Yoichi Ochiai
GREEN×EXPO 2027(横浜・上瀬谷)に出展される風景変換彫刻「null⁴(テトラヌル)」のディテール。極限まで磨かれた鏡面が、周囲の花々や空を万華鏡のように映し込み、風景をインタラクティブに変容させる様子。
null⁴のイメージ ©Yoichi Ochiai
GREEN×EXPO 2027(横浜・上瀬谷)の夜間に浮かび上がる風景変換彫刻「null⁴(テトラヌル)」。サーチライトに照らされた4棟の鏡面構造体が、星空や夜の自然と共鳴する幻想的なコンセプトイメージ。
null⁴のイメージ ©Yoichi Ochiai

続く第2弾として、2027年3月開幕の「GREEN×EXPO 2027」(横浜・上瀬谷)には、新作「null⁴(テトラヌル)」が出展されます。

null²が都市空間のインスタレーションだったのに対し、null⁴は自然の中に設置される「風景変換彫刻」として位置づけられます。4棟の構造体が回転する鏡面で花・空・風・来場者の影を取り込み、周囲の風景そのものを変換するインタラクティブな作品となり、プロジェクト側はこれを「移設ではなく、転生」と説明しています。

企画は一般社団法人計算機と自然が担当。現在、協賛企業・パートナーの募集が行われている(問合わせ窓口:https://expo2027.digitalnatureandarts.or.jp/news/sponsor-recruitment-2027/)。

プロジェクト基本情報

【第2弾】風景変換彫刻「null⁴(テトラヌル)」

  • 会期: 2027年3月19日〜 2027年9月26日
  • 会場: GREEN×EXPO 2027 会場内「SATOYAMA Village」(神奈川県横浜市旭区上瀬谷)
  • 企画: 一般社団法人計算機と自然
  • 公式サイト: https://expo2027.digitalnatureandarts.or.jp

プロデューサー 落合陽一のコメント

大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「null²」のレガシーを継承・進化させる新プロジェクトを発表

本プロジェクトの発表にあたり、プロデューサーの落合陽一氏は次のようなステートメントを寄せています。

プロデューサー 落合陽一のコメント
「大阪の地で生まれた『null²』は、計算機自然、人間とAI、デジタルと物理が溶け合う新しい風景を生み出しました。次は横浜です。みなとみらいの中で一度『記号』を手放し、そして上瀬谷の深い森の中で計算機自然の新たな現実と出会う。この都市と自然を股にかけた『どこでもなくてどこにでもある』計算機自然の旅は、AI時代における人間の美しい『四苦八苦』を肯定する壮大な儀式になります。さようならホモサピエンス。そして、おかえり、ヌルの森。」

落合陽一とはどういう人物か

1987年生まれ。筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターセンター長、同大学図書館情報メディア系教授。メディアアーティスト・研究者として、デジタルと物理の境界領域をテーマに国内外で作品を発表してきた。2016年にPrix Ars Electronica栄誉賞、2019年にSXSW Creative Experience ARROW Awardsを受賞。日本科学未来館には常設展「計算機と自然、計算機の自然」(2019年〜)を持つ。大阪・関西万博では「いのちの輝きプロジェクト」テーマ事業プロデューサーを務めた。

【総合インフォメーション】

※各施設の料金やチケットに関する最新情報は、公式サイトを随時ご確認ください。

プロジェクト総合サイト: https://null2.art

万博で「null²」の胎内へ入った日

実際に大阪・関西万博で「null²」の内部へ足を踏み入れた際の衝撃は、今も鮮明に焼き付いています。

鉄や金属という無機質なテクノロジーの塊でありながら、風に揺れるその姿は柔らかく不定形で、まるで巨大な鯨のように低い鳴き声を響かせていました。相反する要素が完全に調和し、一つの生命体として成立しているのです。内部空間は、ハイテクノロジーの権化でありながら、同時に広大な宇宙、あるいは命の「体内」に回帰したような錯覚さえ覚える不思議な場所でした。これほどの空間を生み出す落合陽一という人物の底知れなさを、肌で思い知らされた体験です。

そして何より忘れられないのが、あの「オールナイト万博」の夜です。地下鉄が停止し、帰宅困難となった来場者たちの不安を払拭するため、居酒屋から遠隔でパビリオンを再起動・開放し、夜通しDJを行ったというエピソードは、テクノロジーが人の心に寄り添った瞬間として、もはや一つの伝説と言えるでしょう。あの熱狂を、次は私たちの街である横浜の地でどのように進化させるのか。その挑戦から目が離せません。

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大阪・関西万博「null²」パビリオンの内部空間。鏡面とデジタル映像が融合した幻想的な展示風景。

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