湘南のクラフトビールでおしゃれに乾杯!~熊澤酒造へ行こう!~

夕日を見つめながらお酒を片手に楽しく語らう人々
参照:ODAN

湘南に残された最後の蔵元のクラフトビール

潮の匂い、波に乗るサーファー、綺麗な夕日。

湘南と聞くとおしゃれで美しい海の街をイメージする方も多いのではないでしょうか。

今回はそんな湘南を代表するクラフトビールづくりで有名な「熊澤酒造」をご案内します。

酒蔵の概念を覆す通いやすい酒蔵

三つの大きな酒樽が白壁の建物の屋外に並んでいる様子
kimtoruさんによる写真ACからの写真

皆さん酒蔵と聞くと何を思い浮かべますか?

樽が所狭しと並んでいたり、荘厳な雰囲気の中で厳しい表情の職人さんが一生懸命働かれていたり。

実際酒蔵見学といっても、なんとなく若輩者には敷居が高く感じてしまうのは筆者だけでしょうか。

グラスに継がれた琥珀色のビールが2杯、並んでテーブルに置かれている様子。
参照:ODAN

しかし、先日クラフトビールの記事でもご紹介した、湘南ビールを醸造している「熊澤酒造」はそんな今までの酒蔵へのイメージがガラッと変わる、斬新かつおしゃれで親近感溢れる空間なのです。

気の置けない友人と。恋人と。家族と。

お出かけスポットとして気軽に寄れる、そんな熊澤酒造とオリジナルクラフトビールの魅力をたっぷりとご紹介します。

危機を救った6代目の行動力

広い麦畑に男性が一人ぽつんと立ち、青からピンク色へと変わる空を眺めながら物思いにふけっている様子
参照:ODAN

明治5年(1872年)に創業し、約150年間日本酒をつくり続けてきた熊澤酒造

長年湘南の地で築いてきた酒造りの文化がバブルの崩壊とともに傾き始めていた頃。

当時の社長であった叔父から「このままでは廃業しなくてはいけないかもしれない」という話をアメリカ留学中に聞き、どうにかこの状況を立て直せないものかと代表を継いだのが6代目の熊澤茂吉氏でした。

女性が男性のお猪口に徳利に入った日本酒を注いでいる様子
参照:ODAN

茂吉氏は留学中に出会ったアメリカで日本酒を販売し成功した人物にも「造り酒屋の将来性はない!」と断言され、「そんなことない!」という想いが今まで興味を持てなかった家業に対してふつふつと湧いてきたそうです。

今まで他の酒造と同様、「三倍増醸清酒」と呼ばれる安価な日本酒を販売していた熊澤酒造。

そこで、まずは「本当に美味しい!!」と思える日本酒づくりから着手することを決断したのでした。

薄暗い酒蔵の様子

ひえとぉさんによる写真ACからの写真

しかし、そう簡単にはいかない美味しい酒造り。

向こう5年を見据えながら、茂吉氏は東京農大で酒造りを学んだ学生たちを集いました。

そして学生たちに信頼のおける杜氏(酒造の最高責任者であり、日本酒の醸造工程を行う職人集団のこと)から酒造りを徹底的に仕込んでもらう計画を進めていったのです。

クラフトビール「湘南ビール」の誕生と新しいスタイルの酒造

夜景をバックにクラフトビールの瓶が一本佇んでいる様子
参照:ODAN

そしてその計画を進める間、もう一つ熊澤酒造の立て直しとして考えたのがクラフトビールの醸造です。

今まで熊澤酒造では、出稼ぎ杜氏が冬場だけ日本酒を造っていたため夏は閑散としていました。

その夏の時期も生かせるのが「クラフトビール」だったのです。

湘南ビールの緑の瓶と、櫛に刺さったソーセージが並んでいる写真
筆者撮影

茂吉氏はただビールを造るのではなく、湘南の地に根付いていく美味しいビールを造るということを念頭に本場ドイツからビールマイスターを招き、醸造技術を学び「湘南ビール」を完成させました。

ビール造りがスタートし、今では熊澤酒造の代表格であるクラフトビール「湘南ビール」が発売されたのが1996年。

酒税法が改正された二年後で、世の中がクラフトビールの第一次ブームで湧いているちょうどその時でした。

熊澤酒造が販売する日本酒天青が4種類並んでいる様子

熊澤酒造株式会社式HP 「天青」

その後2000年にはついに長年の研究と努力が実り、トップレベルの酒米を使用した日本酒「天青」が完成します。

しかし、お酒の業界では常にトップレベルの名だたるお酒が王座に君臨し、新参者はなかなか受け入れられないのが現実です。

茂吉氏は流通で勝負できない環境だからこそ気軽に足を運んでもらい、まずは地元の人から楽しんでもらえる酒造にしていくということを目標とし、それらを実現するためにウィーンのワイナリーからヒントを得ることにしました。

青い空の下に広がるウィーンの石造りの美しい街並み
参照:ODAN

オーストリアのワインは良質で味わい深いにもかかわらず、フランス・イタリア・ドイツなどワイン大国に隣接しているため、あまり名が知られていないのが現状です。

そこでウィーンの人々は、出来立てのワインを美味しい料理とともにワイナリーで楽しんでもらうというスタイルを確立し、地元や観光客の方々から絶大な人気を得ているのです。

テーブルの上に青や透明のワイングラスと装飾の緑が飾られたガーデンパーティーの様子
参照:ODAN

茂吉氏がオーストリアウィーンのワイナリースタイルで始めた、酒造に併設するレストランは結果的に熊澤酒造を全国に知ってもらう大きなきっかけとなりました。

酒造で作られたばかりのお酒と、そのお酒に合う料理を楽しむために人々はこぞって熊澤酒造を訪れました。

小麦色の様々な種類のパン(バゲットやカンパーニュなど)が積み上げられている写真
参照:ODAN

その後も景気の傾きや時代の変遷によりレストラン業界が窮地に立たされた際には、ビール製造工程の破棄分となってしまう栄養豊富なビール酵母をパン作りに生かすことで、新たな話題を呼びました。

美味しいパンのにおいが漂い、地元の人々も朝から集う。お酒の飲めない人でも楽しめる場所。

それが酒造に併設するパン工房です。

酒造の過去と今、そしてこれから

夕日を見つめながらお酒を片手に楽しく語らう人々
参照:ODAN

よっぱらいは日本を豊かにする。

これは熊澤酒造の社是です。

とてもユニークで熊澤酒造の在り方をしっかりと体現している言葉だなぁと筆者も感動しました。

赤い淵の白い徳利から同じ種類のお猪口に日本酒を注いでいく写真
きぬさらさんによるACからの写真

かつての蔵元は、「地域の祭りごとがあるたびに自然と人々が集まり、そこに住む人々が自前の徳利(とっくり)を持参し、蔵元を訪ね宴会が始まる。」そんな場所でした。

そこで新しい文化が生まれ、今までの日本を支えてきたと言っても過言ではありません。

お酒そのものだけではなく、この酒造での人々の交わりがある文化そのものが「ジャパンクオリティ」なのではないでしょうか。

ニンジンや赤カブなど市場に野菜が高く積み上げられている様子
参照:ODAN

そんな常に人々が集まり、賑わい、楽しく語らう「熊澤酒造」。

最近では敷地内でマーケットが開かれ、時には自野菜の販売なども行われているそうです。

ぜひ一度、熊澤酒造で新しい酒造の楽しさを味わってみてください。

熊澤酒造のおすすめクラフトビール5選

熊澤酒造が手塩にかけた湘南を代表するクラフトビールをご紹介します。

ビールの種類についてはこちらの記事をぜひ参考にしてください。

湘南ビール

熊澤酒造が販売する湘南ビールのボトル

熊澤酒造株式会社HP 「湘南ビール」ピルスナー

まずは筆者も大好きな王道「湘南ビール」。

このラベルはピルスナータイプで、他にもアルトとシュヴァルツのラインナップがあります。

世界中で一番ファンが多い下面発酵のビールで、さわやかなホップの香りを楽しめます。

まず熊澤酒造でクラフトビールを選ぶなら湘南ビールからはじめてみてください。

スタイルピルスナー
アルコール度数5.0%
ゴールド

大仏ビール

大仏の顔のイラストが入った熊沢酒造が販売する大仏ビール

熊澤酒造株式会社HP 「大仏ビール」

友人からもらった際、インパクトのあるラベルもさることながら驚くほど深い味わいに一瞬で虜になりました。

アーティストとコラボしたと言われる大仏様のラベルの中身は黒ビールのシュヴァルツです。

色の濃さとは裏腹に口当たりは軽いけれど、後に残る深みのある味わいは女性にもお勧めです。

スタイルシュバルツ
アルコール度数5.0%
ブラック

江の島ビール

熊澤酒造が手掛けるギターとヤシの木が描かれたラベルのクラフトビール

熊澤酒造株式会社HP 「江の島ビール」

江の島のきれいな夕日を見たことがありますか?

デートスポットとしても有名な江の島の美しい赤い夕日をイメージした赤褐色のクラフトビールがこの「江の島ビール」です。

南国を思わせる可愛いラベルと伝統的な上面発酵のアルトビール。

フルーティーでありながらホップの苦みを感じられる大人の一本です。

スタイルアルト
アルコール度数5.0%
アンバー

妻ビール

アメリカ発祥のゴールデンエールスタイルで、黄金色の馴染みのある色に柑橘系のアロマが香るさっぱりした味わいです。 こちらのラベルもアートラベルシリーズで限定販売です。(ほかにも夏季限定の大磯クラシックなどがあります) 一度見たら忘れられないラベルは、大磯妻と呼ばれる大磯市で人気を集める人形がモチーフになっているとか。

熊澤酒造株式会社HP 「妻ビール」

アメリカ発祥のゴールデンエールスタイルで、黄金色の馴染みのある色に柑橘系のアロマが香るさっぱりした味わいです。

こちらのラベルもアートラベルシリーズで限定販売です。(ほかにも夏季限定の大磯クラシックなどがあります)

一度見たら忘れられないラベルは、大磯妻と呼ばれる大磯市で人気を集める人形がモチーフになっているとか。

スタイルゴールデンエール
アルコール度数5.0%
ゴールド

IPA

IPAの瓶ビーr

熊澤酒造株式会社HP 「IPA]

ビール通は絶対にはまるIPA(インディア・ペールエール)

熊澤酒造がIPAを突き詰めて開発した渾身の一本です。

ホップがこれでもかと詰まった柑橘の華やかな香りとともに病みつきになる苦みは、クラフトビールにはまった人にはぜひ試していただきたい味わいです。

スタイルインディア ペール エール
アルコール度数6.0%
カッパー

湘南クラフトビールが他にも楽しめる場所

最後に熊澤酒造が手掛けるビアレストランをご紹介します。

酒造まで足を運ぶのが難しい方は、こちらでぜひ美味しいビールと食事を楽しんでみてください。

MOKICHI CRAFT BEER

MOKICHICRAFTBEER店内の様子

熊澤酒造株式会社HP 「MOKICHI CRAFT BEER」店内写真

藤沢駅から歩いて徒歩数分のところにあるレトロで落ち着いた雰囲気のビアパブです。

熊澤酒造オリジナルビールを楽しめるだけでなく、おつまみメニューや焼き立てのピザなど、どんな食欲も満たしてくれる美味しい料理が盛りだくさんです。

湘南まではなかなか行けないけれど...という方にはぜひ訪れてほしいお店です。

公式WEB:MOKICHI CRAFT BEER

住所:神奈川県藤沢市南藤沢20-19 第2ハルミビル1F
TEL:0466-90-3590
営業時間:【月~金曜・土・日・祝前日】・11:30~14:30(L.O) 15:00(close)
                   ・17:30〜21:30(L.o)22:00(close)
定休日:第3火曜日 ※8月・12月は休まず営業

MOKICHI FOODS GARDEN

MOKICHI FOODS GARDEN店内

熊澤酒造株式会社HP 「MOKICHI FOODS GARDEN」店内写真

こちらは茅ヶ崎駅から徒歩5分。

戦前から続いていた木造の精麦工場をそのまま再利用した空間で飲むビールと食事は最高です。

隣には前述したビール酵母を使ったパンを販売するmokichi baker & sweets 茅ヶ崎店もあるので、パンをお土産に買って帰るのもおすすめです。

公式WEB:MOKICHI FOODS GARDEN

住所:神奈川県茅ヶ崎市元町13-1
TEL:0467-84-0123
営業時間:【ランチ】11:30~16:00(L.O.14:30)
     【ディナー】17:30~22:00(L.O.21:00) 
※8月の第1~3週と、3月、12月の火曜日は休まず営業
※祝日は営業
定休日:火曜日

執筆:Honami

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