箱根でアートの世界を旅しよう!センスが磨かれる美術館巡り

箱根ガラスの森美術館の庭
RERE0204さんによる写真ACからの写真
ルーブル美術館館内から撮ったピラミッドとルーブル美術館の外観
筆者撮影「ルーブル美術館」

秋の訪れと共に、美しい芸術に触れたくなる気持ちが高まることでしょう。

日本の美術館は、海外の名だたる美術館にも決して引けを取らない魅力を持っています。

オルセー美術館館内の様子
筆者撮影「オルセー美術館」

そんな中でも、箱根は全国的にも有数の「アートの街」として知られています。

ここでは、アートに熱心な方々だけでなく、初めてアートに触れる方々にも心を奪う魅力が広がっています。

富士山
yoshifusaさんによる写真ACからの写真

箱根の美術館巡りは、ただ作品を鑑賞するだけではありません。

体感型の斬新な美術館が多く、まるで作品の中に入り込んだような感覚を味わえます。

洗練されたスポットを巡りながら、旅行とアートの融合した贅沢な時間を過ごしてみませんか?

西洋画の宝庫「ポーラ美術館」

緑が生い茂る幻想的な空間に佇むガラス張りの美術館。

入り口に立った瞬間、アートの世界へすっと溶け込んでいけるような不思議な感覚を抱きます。

まさに「箱根と自然と美術の共生」というコンセプトにふさわしい「ポーラ美術館」には、約1万点の作品が収蔵されています。

モネ「花咲く堤、アルジャントゥイユ」
クロード・モネ『花咲く堤、アルジャントゥイユ』

収蔵作品の中核をなすのは日本人が大好きな印象派を筆頭にした19世紀以降の西洋画。

「モネ」「ルノワール」「セザンヌ」「ゴッホ」など知らない人はいない西洋の巨匠たちをはじめ、横山大観や岸田劉生、藤田嗣治など世界で活躍した日本人画家たちの作品も充実しています。

フィンセントファンゴッホ「ヴィゲラ運河にかかるグレース橋」
フィンセント・ファン・ゴッホ『ヴィゲラ運河にかかるグレース橋』

温泉地にある美術館と聞くと、何ともチープでとってつけたようなものを残念ながらイメージしがちですが、このポーラ美術館は前述したとおり収蔵作品においても館内の展示の仕方においても美術評論家をも唸らせる素晴らしいクオリティなのです。

また自然と調和した環境の中で伸び伸びとアートに触れられるので、いつもよりさらに鋭い感性を持って鑑賞できるようにも思います。

少し絵を見るのに疲れたら、森の遊歩道を歩いてマイナスイオンをたくさん浴びましょう。

季節で表情を変える自然と世界中の名画から、人生のヒントを得られるかもしれません。

ポーラ美術館

住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
TEL:0460- 84 -2111
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 :年中無休(展示替えのため臨時休館あり)
入館料 :大人1800円/大学・高校生1300円/中学生以下無料
公式WEB:ポーラ美術館

雅な雰囲気が魅力の「岡田美術館」

岡田美術館外観

引用:岡田美術館公式Facebook

足湯カフェの目の前でひときわ目を引く巨大壁画。

江戸時代初期を代表する画家俵屋宗達の国宝『風神雷神図屏風』(京都・建仁寺蔵)を模して描かれた福井江太郎氏による『風・刻(かぜ・とき)』。

「岡田美術館」のシンボルと言っても過言ではない作品のガラス越しに箱根の空が映し出され、幻想的な世界へいざなってくれます。

岡田美術館館内展示

引用:岡田美術館公式Facebook

館内は時代そして流派になぞらえて美術作品が展示されており、その数はおよそ450点。

またグローバルな時代にアジアの貴重な美術作品を幅広く知ってもらうため、いくつかの作品の前には4か国語に対応した液晶タッチパネルの作品解説が設置されています。

歴史的な芸術作品を展示する一方で、近代的かつ洗練された美術館の雰囲気とのコントラストを楽しめるのも岡田美術館ならではでしょうか。

ミュージアムショップでは専属ショコラティエ三浦直樹氏による芸術的なチョコレートも購入できます。

余談ですが三浦直樹氏は2014年放送の嵐・松本潤主演月9ドラマ「失恋ショコラティエ」の監修も務めた方みたいです。

美術館に専属ショコラティエがいるというのも驚きですが、喜多川歌麿の傑作「深川の雪」をはじめとするチョコレートの数々は食べるのが惜しくなるほどの美しさ。

ぜひとっておきのご褒美にお持ち帰りしてみてください。

岡田美術館

住所:神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1
TEL:0460-87-3931
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 :12月31日、1月1日、展示替期間
入館料 :一般・大学生2800円/高校生・中学生・小学生1800円
公式WEB:岡田美術館

ラリックの世界に酔いしれる「箱根ラリック美術館」

ルネ・ラリックの肖像
ルネ・ラリック

アール・ヌーヴォー(Art nouveau:花や植物などの有機的なモチーフや自由曲線の組み合わせ、新素材の利用、従来の様式に囚われずその名の通り「新しい芸術」を意味し、19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパを中心に開花した国際的な美術運動のこと)、アールデコ(Art Ⅾèco:アールヌーヴォーの時代に続き、ヨーロッパおよびアメリカ合衆国(ニューヨーク)を中心に1910年代半ばから1930年代にかけて流行そして発展した装飾の一傾向)両時代にわたり活躍したフランスの金細工師であり宝飾デザイナーでもありガラス工芸家の「ルネ・ラリック」をご存知ですか。

ルネ・ラリックが妻アリスの為にデザインしたネックレス
Necklace designed for Lalique’s second wife, Alice Ledru, ca 1897–99

フランスシャンパーニュ地方の小さな村に生まれ、パリでジュエリー作家として成功を収めたのちそれでは飽き足らず、好奇心旺盛なラリックは今まで築き上げたジュエリー作家の肩書を捨てガラス工芸家として晩年は活躍していきます。

ラリックは日本芸術からも作品のインスピレーションを受けており、日本ともかかわりの深い人物なのです。

そんな常に挑戦的で革新的な彼の作品は世界中で今も尚愛され続け、たくさんのデザイナーに多大な影響を与えています。

ラリック美術館のモネの池を模した庭
endoh80さんによる写真ACからの写真

彼の作品を楽しめる「箱根ラリック美術館」では、ジュエリー作品からガラス細工に携わるきっかけとなった香水瓶、そしてガラス細工に至るまで余すことなくラリックの世界観を堪能できます。

そして美術館1階のサロンからはフランス・ジヴェルニーのモネの家にある「睡蓮の池」を彷彿とさせる美しい庭を眺めることもできます。

お肉とパンと野菜のワンプレート
カバ キチによる写真ACからの写真

そんな異国を気ままに旅しているようなラグジュアリーな空間で楽しむモーニングはさらに優雅な時間を演出してくれるのではないでしょうか。

爽やかな緑溢れるテラスでプティサラダやふわふわのオムレツを頬張れば、ラリックの活躍したパリの朝を体感できるかもしれません。

箱根ラリック美術館

住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原186番1
TEL:0460-84-2255
開館時間:9:00~16:00(美術館入館は15時30分まで)
休館日 :第3木曜日8月(無休、展示替のため臨時休館あり)
入館料 :大人1500円/大学生・高校生・シニア(65歳以上)1300円/中学生・小学生 800円
公式WEB:箱根ラリック美術館

彫刻と自然が調和する「箱根彫刻の森美術館」

箱根彫刻の森美術館
筆者友人撮影「箱根彫刻の森美術館」

まるで一つの公園そのものが芸術作品と化したような、自然の中に数多くの彫刻作品を有する「箱根彫刻の森美術館」。

広大な敷地に突如訪れる壮大な彫刻作品の数はおよそ120点。

箱根彫刻の森美術館ステンドグラス
筆者友人撮影「箱根彫刻の森美術館」

見て触れて感じられる体感型美術館として老若男女問わず親しまれ、箱根を代表する美術館として創立50年の歴史を誇っています。

また外からの光が差し込むステンドグラスが美しい「幸せを呼ぶシンフォニー彫刻」。

箱根彫刻の森美術館のネットの森
筆者友人撮影「箱根彫刻の森美術館」

カラフルなオブジェから色彩感覚を学び、造形の面白さを子どもたちに伝えることも目的とした「ネットの森」など、普段美術館に親しみのない方々もフランクにアートの世界に足を踏み入れることができるところも大きな魅力の一つです。

さらにスペインを代表する巨匠パブロ・ピカソの作品300点余りを所蔵する「ピカソ館」も必見です。

大切なことは見つけることであって、探すことではない。
芸術家とは見つける人だ。
芸術にあっては、意図は何の価値もなく、スペインの諺(ことわざ)の
「愛は議論ではなく事実で試される」のように、大事なのは行動である。

─── ピカソ

ピカソの情熱が詰まった挑戦的な作品の数々をぜひ間近に感じてください。

箱根彫刻の森美術館

住所:神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121
TEL:0460-82-1161
開館時間:9:00〜17:00 (入館は閉館の30分前まで)
休館日 :年中無休
入館料 :一般1600円/大学生・高校生1200円/中学生・小学生800円
公式WEB:箱根彫刻の森美術館

四季を感じる美の殿堂「箱根美術館」

箱根美術館の紅葉

引用:箱根美術館公式Facebook

自然の山水美と人工的庭園美を調和させた庭園の中に美術館を建てるという目的で、箱根強羅に1952年に開館した「箱根美術館」。

秋の紅葉の美しさを目当てに訪れる人も数多く、四季折々の景色を楽しめる日本庭園の美しさは人々の心に安らぎを与えてくれます。

箱根美術館 館内展示状況
箱根美術館館内展示の様子

歴史好きには堪らない、日本の縄文火焔(かえん)土器をはじめ重要文化財の埴輪男子像・瀬戸や備前の壷・桃山時代の茶陶・江戸時代の古伊万里鍋島等、他では見ることのできない貴重な歴史的美術品が数多く展示されています。

和菓子と抹茶

引用:箱根美術館公式Facebook

また併設の茶室「真和亭」では四季の移ろいを感じられる庭を眺めながら、720円で季節のお菓子と抹茶を嗜むことができます。

ゆったりと流れる時間の中で、日本の「美」を改めて感じるのも粋ではないでしょうか。

箱根美術館

住所:神奈川県箱根町強羅 1300
TEL:0460-82-2623
開館時間:4月~11月 9:30~16:30・12月~3月 9:30~16:00(最終入館は閉館30分前)
休館日 :木曜日(祝休日の場合は開館)、年末年始、展示替え日
入館料 :一般900円/大学生・高校生400円/中学生以下無料
公式WEB:箱根美術館

絶景と芸術の共演「箱根 芦ノ湖 成川美術館」

成川美術館から見える芦ノ湖と富士山の景色

引用:箱根 芦ノ湖 成川美術館 公式Facebook

芦ノ湖湖畔の高台に位置する「成川美術館」。

展望ラウンジには総長50mにも及ぶ一面ガラス張りの窓があり、箱根・芦ノ湖・富士山の絶景を臨むことができます。

眼下に広がる景色そのものに芸術性を感じ、ソファに腰かけながら何時間でも鑑賞していられるような心持になります。

成川美術館展示の様子

引用:箱根 芦ノ湖 成川美術館 公式Facebook

館内は「中国の秘宝」をテーマに翡翠(ひすい)、象牙、巨大な玉、鶏血石に細密な彫刻を施した第一級の秘宝が常設展示されており、様々な企画展も常時行われています。

企画展覧会の作品の数々は主に現代日本画を専門としていて、国内外に日本画の素晴らしさを発信していこうという成川美術館の想いが込められているのです。

また抜群のロケーションにありお茶とお菓子のコーヒータイムを満喫できるティーラウンジ「季節風」では、富士山をイメージした青色のビールが話題になっています。

富士山と共にグラスに注いだビールをフレームにおさめれば、それだけで“インスタ映え”間違いないでしょう。

職人手作りの山の形をしたグラスは売店でも販売しているようなので、お土産として持って帰るのもおすすめです。

箱根 芦ノ湖 成川美術館

住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根570番
TEL:0460-83-6828
開館時間:9:00~17:00
休館日 :無休
入館料 :一般1500円/大学生・高校生1000円/中学生・小学生500円 幼児無料
公式WEB:箱根 芦ノ湖 成川美術館

ガラスの魔術が織りなす「箱根ガラスの森美術館」

箱根ガラスの森美術館の庭
RERE0204さんによる写真ACからの写真

箱根仙石原の緑豊かな土地にある日本初ヴェネツィアングラス専門の「箱根ガラスの森美術館」。

ヴェネツィアングラスは古代ローマ時代から存在し、15世紀から18世紀にかけてヨーロッパの貴族たちを魅了したことで世界中に知られる逸品となりました。

繊細優美な造りは、匠な技が織りなす美の結晶とも謳われています。

箱根ガラスの森美術館のオブジェ
おしゃれな写真専門店さんによる写真ACからの写真

館内にはイタリアが誇るヴェネツィアングラスの数々が展示されているほか、美術館そのものがヨーロッパ貴族の別荘や庭園をイメージした造りになっているため、散歩をしているだけでまるで海外旅行をしているような気分を味わえます。

併設のカフェレストランではイタリア人歌手によるカンツォーネを聞きながら本格的なイタリアンを楽しめます。

季節のドルチェとして旬の果物を使ったパフェも、カフェレストランの看板メニューです。

水の都ヴェネツィアを旅する気分に浸りながら、甘いスイーツで心もお腹も満たされる幸せなひと時をぜひ堪能してください。

箱根ガラスの森美術館

住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原940-48
TEL:0460-86-3111
開館時間:10:00~17:30(ご入館は17:00まで)
入館料 :大人1800円/大学生・高校生1300円/中学生・小学生600円
公式WEB:箱根ガラスの森美術館

訪れてみたい美術館は見つかりましたか?

絵画を眺めるロングヘアにデニムの女性
参照:ODAN

箱根の美術館巡りは、個性豊かな作品と魅力的な空間が絶妙に調和した特別な体験をもたらします。

彫刻や絵画、ガラスアートなど、多彩なジャンルの作品が織り成す世界を堪能し、心に深い感銘を刻みましょう。

芸術の魔法に触れる箱根の美術館は心躍る旅の始まりです。新たな発見と感動を箱根の美しい風景と共に楽しんでください。

執筆:Honami

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