Brewskival(ブリュースキーバル)はスウェーデンを舞台に世界各地から100以上のブルワリーが集まるビアフェス。
昨年は7,000人の動員数を誇ったイベントが、9月19日(土)、20日(日)のシルバーウィーク2日間にわたり東京・日本橋で「Brewskival 2020 in Tokyo」として開催されました!
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Brewskival 2020 in Tokyo
5年目となる今年は、コロナ禍の影響で本国スウェーデンでは開催が見送られました。ただ、満を持して初出店する予定だった日本のブルワリーのために「Brewski(ブリュースキー)」の創業者でもあり主催者のMarcus Hjalmarsson(マーカス・ヤルマション)と、DIG THE LINE(ディグ・ザ・ライン:ヨーロッパの最先端・日本初上陸のクラフトビールの輸入・販売を展開)はリベンジの機会を東京に設けました。
スウェーデン以外で初の開催となった「Brewskival 2020 in Tokyo」は、制限された状況下でも多くの方にクラフトビールを通じて楽しさや笑顔を届ける空気に溢れていました。
日本のクラフトビール界を牽引する3つのブルワリーが参加してのトークセッション
2部構成で行われたトークセッションには、大阪の「箕面(みのお)ビール」、神奈川の「BarbaricWORKS(バーバリックワークス)」、そして会場でもある店舗を運営する「CRAFTROCK BREWING(クラフトロックブルーイング)」の各ブルワリーが参加。
イベント主催のDIG THE LINEの本間浩揮氏をホストに、今回のイベント開催までの経緯や今後の展望について、各々がクラフトビールを片手に語ってくれました。

トークセッションではDIG THE LINE本間氏(左)をホストに
各ブルワリーがクラフトビールを片手にリラックスした雰囲気で語り合った

バーバリックワークス永石卓宏氏(中央)とクラフトロック鈴木諒氏(右)の2人は、昨年12月にマーカスが来日した際にコラボビール作りを体験。マーカスが提示してきたレシピや製造方法が斬新で刺激を受けたよう。
箕面ビールの大下香織里氏(左)は、自社ビールの仕込みの都合で実施は叶わなかったが、マーカスに看板商品のひとつである「桃ヴァイツェン」を試飲してもらい、とても気に入ってくれたのが印象的だったと語った。

「スウェーデンのイメージは?」との問いに「イケア!」、「ミートボール!」
と答えるバーバリックワークス永石氏(中央)とクラフトロック鈴木氏(右)

マーカスの印象について聞かれると「使うホップの量は尋常ではない!」と一同口を揃えた。
「意外と適当そうだけどちゃんとしている」、「個人的にはアメリカの感じの作り方しか知らないので、その基準からするとマーカスの作り方は自分が知っているのとは違い新鮮であった」(鈴木氏)
「マーカス自身はあまりハイアルコールのビールは好きじゃない」(永石氏)
「すごくフレンドリーで優しい人」、「ドリンカブルに仕上げようとしている」(大下氏)
「ビールは飲み続けられるものであってほしい」、「突出しているよりバランス重視という印象」 (本間氏)
と各々の印象を語ってくれた。

「DIG THE LINE BOTTLE & BAR」(京都)でマネジャーを務める
スウェーデン人のヘンリック・ノードマーク氏(中央)もセッションに参加
「スウェーデンではウォッカが有名。ですが一番飲まれるのはワイン、次に飲まれているのがビール。ブルワリーの数は400程度あり日本と同じぐらいの数。スウェーデンの人口は日本でいうと東京ぐらいなので、割合でいうと多いですね 」
「スウェーデンは寒い地域なのでフルーツが全然取れなくて輸入品が多い。取れるとしてもベリー類ぐらいで、マンゴーなんか全く取れない(笑)
創業当時、アメリカの美味しいホップはなかなか手に入らなくて、その代わりにフルーツを使い始めた。IPAの香りを作るにはホップが必要だけどフルーツを使った。
マーカスも周りからは『この人、狂ってるな』と言われていた(笑)
販路もスウェーデン国内で売るのではなく海外へ輸出することを視野に入れて製造していて、今も売上シェアの90%ぐらいが輸出ですね」
スウェーデンのビール事情とブリュースキーの特徴について日本語で流暢に説明してくれた。

本間氏から「来年予定されているブリュースキーバルには来てもらえますか?」との問いに、三者揃って「ぜひ、スウェーデンに行きたいです!」と即答。
ヘンリック氏も「本場のミートボールでおもてなししますよ!」と答え、トークセッション第1部は幕を閉じた。
当日提供されたクラフトビールをご紹介!

「Brewskival 2020 in Tokyo」の会場となった「CRAFTROCK BREWPUB & LIVE」は店舗内にブルワリーが併設されている。
常時「CRAFTROCK BREWING」の出来立てフレッシュなクラフトビールと、厳選された国内外のクラフトビールを楽しむことができる。
そんな数多くの魅力的なクラフトビールの中から、当日提供された一部をご紹介!(左から)
「チーム・フリーダム」
BENCHWARMERS BREWING CO (ベンチウォーマーズ ブリューイング)
生産地:スウェーデン
スタイル:New England IPA
ABV(アルコール度数):6.8%
「ブルーベリーサワー」
FRIENDS COMPANY BREWING(フレンズカンパニーブリューイング)
生産地:スウェーデン
スタイル:Sour Ale – Fruited Berliner Weisse
ABV(アルコール度数):4.8%
「ザ・ウィザード・オブ・フルクト」
FRUKTSTEREO(フルクステレオ)
生産地:スウェーデン
スタイル:Sour Ale
ABV(アルコール度数):6.5%

(左から)
「ドラゴンフルーツ・パイ」
Brewski(ブリュースキー)
生産地:スウェーデン
スタイル:Sour Ale
ABV(アルコール度数):4.0%
「スライス&ダイス」
BREKERIET BEER(ブレクリエット)
生産地:スウェーデン
スタイル:Gluten Free
ABV(アルコール度数):4.7%
「∞ (ムゲン)スタウト」箕面ビール×Taihu Brewing
スタイル:1%∞ Stout
ABV(アルコール度数):4.7%
「スード ニンフ」クラフトロックブルーイング
スタイル:Pseudo Lager
ABV(アルコール度数):5.3%
「ホイッスルソング」バーバリックワークス
スタイル:Belgian Wit
ABV(アルコール度数):5.0%
筆者が飲んだ「ドラゴンフルーツ・パイ」は、酸っぱさのあまり顔がクシャクシャになるほど酸味が強く、この日提供されてたフルーツを使ったビールの中でも屈指の酸味という印象。

整然と並んだタップの数は20口以上

丁寧にクラフトビールを注ぐ姿が絵になる

店内にはおさまりきらなかったビールは店外でサーブ
多くのクラフトビールを一度に味わえるのはビアフェスの醍醐味

海外からもクラフトビール好きが集まりに会場は大いに賑わった

立派な醸造バレルと雰囲気のある樽
空間的なこだわりが随所に感じられるブルワリーパブ

高い天井とむき出しの配管がオシャレな空間を一層引き立てた

トークセッション第2部は時差マイナス7時間のスウェーデンのマーカスと

現地で突然始まった醸造所見学に一同も驚きを隠せず!
(しかも協力会社のブルワリー)
海外ならではのハプニングに会場も大いに湧いた

コロナウイルスの影響で期せずして東京で初開催となったこのイベント。
「規模は小さくとも継続的に日本でイベント開催はしていきたい。ブリュースキーバルのコンセプトは世界中からブルワリーが集まって話を聞けること。DIG THE LINEでも同様のイベントを今後作っていきたいと考え、そこに向かって頑張っており、いずれ京都で開催したいと思っている」
と本間氏は語り、秋の夜長を彩るのにふさわしいスウェーデンと日本のブルワリーのコラボレーションを締め括った。
Photo by Reiko Suga / Yu Sakai
国産ブルワリー独占インタビュー
「Brewskival 2020 in Tokyo」に参加された国産ブルワリーへの独占インタビューはこちら。
日本の第一線でクオリティの高い個性的なクラフトビール を作り続けている「箕面ビール」大下香緒里氏、「バーバリックワークス」安藤佑一氏&永石卓宏氏、「クラフトロックブルーイング」鈴木諒氏、そして今回のイベント主催者「DIG THE LINE」の大東赳彦氏にお話を伺いました。




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